今や日本のみならず、世界市場を相手に戦いをはじめた新型クラウン。
「いつかはクラウン」というキャッチコピーが一世を風靡したこともあります。
そんな「いつか」までのクルマといえば、マークXというイメージを持たれる方も、
多いのではないでしょうか。
今回は、そんなマークXとクラウンを徹底比較。
新型クラウンと共に、「いつか」までではない、マークXの魅力を見ていきましょう。
【トヨタ・クラウン】VS【トヨタ・マークX】価格はどっち?

https://toyota.jp
今回は新型クラウンと、マークXという、同じトヨタ勢の対決ですが、
まず一番気になるのは、本体価格ではないでしょうか。
早速双方の新車本体価格帯を見てみましょう(数字は万円未満切り捨ての概数です)
新型クラウン:460万円~718万円
マークX:265万円~385万円
比べてみてわかるのは、まず価格レンジの違いですね。
マークXは、ご存知の通り、マークⅡの後継車です。
マークⅡは、1968年にクラウンとコロナの中間に位置する車種として登場しました。
モデルチェンジ毎にボディサイズの大型化と高級化が進み、1980年代後半には、
姉妹車というべきチェイサー、クレスタと共にマークⅡ三兄弟と呼ばれ、
当時の高級車ブームの牽引役として高い人気を誇りました。
こうした経緯から、後継車であるマークXもクラウンの価格帯と比べて
ワンランクお求めやすいクラスの設定となっています。
またクラウンの価格帯が258万円程度なのに対し、マークXは120万円程度と、
価格の幅ではクラウンが広いようですね。

https://toyota.jp
マークXは、全部で8車種の陣容ですが、大きくグルーピングすると、250、370の2タイプとなっています。
一方クラウンは、スポーツ寄りの仕様となるRS仕様だけで8車種、標準仕様で13車種の、
合計21車種と、非常に多くの車種を取り揃えています。
ここでもう少し細かく見てみましょう。

https://www.webcg.net
マークXは、パワートレインの面からみると、2.5Lガソリン車と3.5Lガソリン車の、
至ってシンプルな構成です。
それぞれの価格帯は、
250:265万円~380万円
370:385万円~442万円
4WD:265万円~320万円
となっています。
一方の新型クラウンをパワートレイン別に価格帯を拾ってみますと、
2.0Lターボ:460万円~559万円
2.5Lハイブリッド:519万円~601万円
3.5Lハイブリッド:623万円~718万円
となっており、パワートレインに比例する一方で2.0Lターボは価格の幅がほぼ99万円差、
2.5Lハイブリッドは価格の幅が82万円差、3.5Lハイブリッドは95万円差と、
だいたい100万円程度の幅があるようです。

https://toyota.jp
こうして見てみますと、価格の高低ではマークXの方がお求めやすいですが、
新型クラウンのほうが、価格の選択肢という点では断然マークXをリード、
という感じではないでしょうか。
【トヨタ・クラウン】VS【トヨタ・マークX】大きさは?

https://www.webcg.net/
新型クラウンとマークXの比較、次は大きさの面から見てみましょう。
ここで新型クラウンと、マークX、大きさのおさらいをしておきましょう。
新型クラウン
全長:4910mm
全幅:1800mm
全高:1455(~1465)mm
ホイールベース:2920mm
車両重量:1690(~1910)kg

https://www.webcg.net/
マークX
全長:4770mm
全幅:1795mm
全高:1420mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1510(~1570※)kg ※…4WD

https://toyota.jp
新型クラウンとマークXのボディサイズを比較してみますと、
全長では140mm、全幅5mmほど新型クラウンの方が大きくなっています。
また、ホイールベースでも新型クラウンが70mmほど広く長くなっています。
車両重量は、ハイブリッド車あるいはガソリン車の違い、また排気量によっても幅がありますが、
マークXの方が180㎏ほど、軽くなっているということが分かりました。
クラウンは、あくまでもジャパニーズラグジュアリーカーというコンセプトですので、
全幅は日本の道のサイズにあわせて1800mmを決して超えないクルマづくりをしています。
それに比べて、マークXは車長でこそ140mm短いですが、車幅は5mmしか違わないのですね。
つづいて室内の大きさも見てみましょう。
新型クラウン
室内長:1980mm
室内幅:1500mm
室内高:1185mm
ちなみに、リヤシート高は580mm。後部座席は包まれるような着座感があります。
膝前が約200mm、頭上が約40mmと空間に比べてゆとりのある居住スペースが確保されています。
フロントシートは高さ540~600mm。後部座席に比べてスポーティーな印象のフロントシートは、
一部にベンチレーション機能も設定されています。

https://toyota.jp
マークX
室内長:1975mm
室内幅:1500mm
室内高:1170mm
リアシート高は605mm。後部座席は前席と後列のシートの距離が980mmもあるので、
後部座席に座る成年男性が脚を組んで座れる広さがあります。
フロントシートは高さ605mm。着座位置は低く設計されているため、
乗り降りのしやすさは抜群です。
また、シートにも工夫があり、長時間のドライブで負担のかかりやすい肩や腰、
寒い日や夏の冷房中に冷えやすい脚回りなどを温めるヒーターがついています。
(350RDS、250RDS、250S、250S Fourに標準装備)
また、両側にも頭上にも余裕があり、この大きさのセダンにしては、
高い車高を活かして開放感のある居住性となっています。

https://toyota.jp
ちなみにラゲッジスペースは、後部座席を倒さない通常時で積載容量が479Lもあり、
スーツケースやゴルフバッグがラクに積み込めます。
さらに、後部座席を倒すと、ラゲッジスペースとほぼフラットに近い感じで繋がり、
積載容量は倍近く広がり、3名で乗車する際は、後部座席片側のみを倒して、
さらにラゲッジスペースを広げることが可能となっています。
こうして見てみますと、絶対的な数字の大きさというより、居住性や積載性は、
両車とも、もともと持っている大きさの中で非常に快適になるように設計されている、
といってよいと思われます。両車に軍配が上がりますね。
【トヨタ・クラウン】VS【トヨタ・マークX】燃費はどっち?

https://matome.response.jp
それでは、新型クラウンと、マークXの燃費を比較してみましょう。
まず、同じ排気量の3.5L(クラウンはハイブリッド)で比較してみましょう。
新型クラウン
カタログ(JC08モード)燃費:17.8~18.0㎞/L
実燃費:15.5㎞/L(走行環境別実燃費の単純平均。ちなみに市街地12.2㎞/L、
郊外15.8㎞/L、高速道路18.4㎞/L)

https://gqjapan.jp/
マークX
カタログ(JC08モード)燃費:10.0~11.8㎞/L
実燃費:9.19~10.26㎞/L
片やハイブリッド、片やガソリン車と公平な比較ではないかもしれませんが、
新型クラウンの燃費のよさが際立っていますね。
新型クラウンはまだ発売後1年経過していませんので、実燃費データがまだまだ少ないこともあり、
一概に比較はできませんが、単純平均とは言え15.5㎞/Lをたたき出しており、
サイズの大きさをものともしない燃費となっています。
しかし、走行環境別で高速道路などほぼカタログ燃費に近い燃費を出しているのは
ちょっと驚きの数字ですね。
ちなみに3.5Lハイブリッド車以外のクラウンのカタログ燃費も見てみましょう。
2.5Lハイブリッド
カタログ(JC08モード)燃費:23.4~24.0㎞/L
2.5Lハイブリッド(4WD)
カタログ(JC08モード)燃費:20.8~21.0㎞/L
2.0Lガソリンターボ
カタログ(JC08モード)燃費:12.8㎞/L
ちなみに2.5Lハイブリッドについては実燃費平均20.0㎞/Lという口コミもあり、
この数字もなかなか驚異的な低燃費といってもよいのではないでしょうか。

https://web.motormagazine.co.jp
他の車種と比較しても、マークXの燃費は全車種の燃費ランキングで390位、
セダン燃費ランキングで56位、ガソリン車の燃費ランキングで277位と、
あまりはかばかしいものとは言えません。
せっかく大容量のラゲッジスペースが確保されていますが、
余分な荷物を極力積まないなどの工夫が必要ですね。
ちなみに、100㎏の余分な荷物を積んで走行すると、およそ3パーセント燃費効率が、
悪化するといわれています。
また、ドライブの際に運転経路に迷いなどが生じると、10分間でおよそ14パーセント程度
燃費効率を低下を招くといわれています。
こうした細かな工夫を積み重ねることで、燃費向上を図ってみるのも方法の一つです。
また、マークXは、ATセレクターの手前にあるスイッチから、
スポーツモードとエコモードを選択することができます。
こちらのエコモードを選択して走行した場合、エンジンの回転などが緩くなり、
燃費消費を抑えた走行ができるとされています。

https://toyota.jp
口コミでは、「緩慢になりすぎる」という声も多く上がっていましたが、
燃費が気になる方は試してみてもよいのではないでしょうか。
大型ガソリン車として考えた際は、標準的な燃費とも言えなくもないのですが、
逆に新型クラウンの燃費性能向上が著しかったと考える方が妥当ですね。
また、マークXはスポーツセダンとして、俊敏なハンドリングと、
卓越したコーナリング性能を特徴として謳っています。
この点からしても、単なる大型セダンに対する中型セダン、という位置づけではなく、
「一つの分野」としてのマークXというポジションも見えてくるように感じます。
いかがでしたでしょうか。今回はマークXと価格、大きさ、燃費で比較してみました。
比較することでそれぞれの個性が一層際立ったように感じます。

https://www.webcg.net/
「いつかはクラウン」。マークXは、その「いつか」までのつなぎではなく、
一つの世界観を持った独立した車種ということも感じることができました。
あなたなら、どちらのコンセプトを選びますか。
ぜひ両方とも実際にハンドルを握って感じてみてください。
「日本をどう走りたいですか」
そんな問いかけがこの二つのクルマから問いかけられているような気がします。
アイキャッチ画像引用:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design