コンパクトSUVの人気加速を受けて各社開発競争が激化していますね。
そうした中で2018年3月1日に発売開始になった三菱新型エクリプスクロス。
マツダCX-3とコンパクトSUVとしてのライバルと位置づけられている自動車です。
今回は価格、大きさ、燃費の切り口から、徹底的に比較してみたいと思います。
目次
【マツダ・CX-3】VS【三菱・エクリプスクロス】価格はどっち?
まず、三菱自動車のエクリプスクロスの概要を確認してみましょう。
エクリプスクロスは、三菱自動車のグローバル戦略車として、2017年10月ヨーロッパ向けを皮切りに、
11月にオーストラリア、ニュージーランド、アセアン地域、2018年1月に北米出荷を始めています。
日本では、「M」「G」「G Plus Package」の3グレードとなっています。
それぞれに2WD,4WDが用意されており、ボディーカラーはCX-3と同じく8色用意されています。
ちなみに色は「レッドダイヤモンド(有料色)」「ブロンズメタリック」「ホワイトパール(有料色)」
「スターリングシルバーメタリック」「チタニウムグレーメタリック」「ブラックマイカ」
「レッドメタリック」「ライトニングブルーマイカ」の8色です。
では、それぞれの価格を見てみましょう。
〇M 2WD 2,532,600円(本体価格 税込 以下同じ)
4WD 2,748,600円
〇G 2WD 2,706,480円
4WD 2,922,480円
〇G Plus Package 2WD 2,879,280円
4WD 3,095,280円
となっています。
一方CX-3ではどうなっていたでしょうか。同じガソリン車(AT)で比較してみましょう。
〇20S 2WD 2,127,600円
4WD 2,353,600円
〇20S PROACTIVE
S Package 2WD 2,430,000円
4WD 2,656,000円
〇20S PROACTIVE
L Package 2WD 2,566,080円
4WD 2,792,080円
とこのような結果になりました。装備の違いなどもあり、一概に比較はできないかもしれませんが、
若干エクリプスクロスの方が価格が高いように思われます。
現在のCX-3の装備の充実度、特にL packageの安全装備などの充実ぶりからすると、CX-3に軍配が上がるように思われますね。
【マツダ・CX-3】VS【三菱・エクリプスクロス】大きさは?
さて、次は大きさの比較をしてみたいと思います。上段エクリプスクロス、下段CX-3です。
(単位は全長、全幅、全高、ホイールベースはmm、車両重量はKg、乗車定員は人)
全長 全幅 全高 ホイールベース 車両重量 乗車定員
4,405 1,805 1,685 2,670 1,460・1480(2WD) 1,530・1,550(4WD) 5
4,275 1,765 1,550 2,570 1,240~1,290(2WD)1,300~1,360(4WD) 5
となっています。
全体的に、エクリプスクロスの方が一回り大きい印象を受けますね。
エクリプスクロスの全高が1,685mmということで、少し立体駐車場には向かないサイズとなっており、
街中の運転では駐車場を探すことになるかもしれません。しかしその高さのおかげで、
前席にはスムーズに着座できる高さとなっており、女性もラクラク乗り降りできるようになっています。
広々と駐車できることができるところであれば、エクリプスクロスの大きさでもよいかもしれませんね。
街中の立体駐車場のことを考えると、大きさはCX-3に有利なようですね。
ただ、一回り大きいだけあって、後部座席の広さはCX-3と比べて大変ゆったりとしています。
全体・足元共に広く、後部座席のシートが前後にスライドできるので、もっと足元を広くしようと思えば、
できてしまうようですね。CX-3は後部座席の狭さをマイナスに挙げられることが多いので、
ここはエクリプスクロスに軍配が上がりますね。
【マツダ・CX-3】VS【三菱・エクリプスクロス】燃費はどっち?
最後に燃費を見てみましょう。ここも同じくCX-3はガソリン車での比較です。
カタログ上(JC08モード燃費)では、エクリプスクロスは4WDで14km/L、2WDで15km/Lとなっていますが、
実燃費は10~12km/Lぐらいのようです。
CX-3は、16.4~17.0km/L、WLTC燃費15.2~16.2km/Lとなっています。
実燃費に近いといわれるWLTC燃費でも圧倒的にCX-3の方が燃費性能は優れていますね。
ちなみにCX-3ディーゼル車の場合、JC08モード燃費では21.0~25.0km/L、
WLTC燃費で20.0~23.2km/Lとなっており、高速道路中心の長距離では、
さらにこれを上回っていく場合もあるようです。
では、こうした燃費を生む心臓ともいうべきエンジンスペック・パワートレインについても
少し触れておきましょう。
エクリプスクロスのパワートレインには、1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンが搭載されています。
トランスミッションは8速スポーツモードCVT(ギアを使わない無段変速)、駆動方式はFFと4WDです。
エンジンの最大出力は110KW[150PS]/5,500rpm、
最大トルクは240N・m[24.5kgf・m]/2,000~3,500rpmとなっています。
一方CX-3(ガソリンエンジン)は、2.0L直列4気筒DOHC直噴、
トランスミッションは6速AT、駆動方式は同じくFFと4WDです。
エンジンの最大出力は、109KW[148PS]/6,000rpm、
最大トルクは192N・m[19.6kgf・m]/2,800rpmとなっています。
両車のエンジンスペックを比較すると、出力、トルク共にエクリプスクロスのほうがパワフルです。
ただし、トルクについては、最大トルクは270N・m[27.5kgf・m]/1,600~2,500rpmと
CX-3ディーゼルエンジンが、エクリプスクロスのエンジンに大きく差をつけてパワフルとなっています。
ちなみに、燃費を表す基準として、現在日本では「JC08モード」が広く採用されていますが、
新基準である「WLTCモード」の導入も進んでいます。WLTCモードは、
「Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle=世界的に調整された自動車の実験方法」の主要頭文字を
採って名付けられています。「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」という3つの異なるモードで構成
されています。これに、3つのモードの平均値となる数値を加えた4つの数値が示されます。
「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」はそれぞれ「信号や渋滞などの影響を受ける
比較的低速な走行を想定」「信号や渋滞などの影響をあまり受けない走行を想定」「高速道路などでの走行を想定」
したモードです。したがって、ユーザーの自動車を使う場面での燃費を知ることができるということで、
分かりやすい指標となっており、2018年10月以降に発売される車では義務付け、2020年9月以降は全面的に
WLTCモード燃費のみ表記されることになっています。
マツダでは、すでにこの取組をしており、2017年のマイナーチェンジも国際的な排ガス規制の傾向を
先取りしたものとなっていて、環境性能を非常に重視したクルマづくりをしています。
ですから燃費一つとっても、すでにJC08とWLTCの両モード併記になっているのですね。
さて、ここまでCX-3と三菱自動車のエクリプスクロスとの比較を、主に価格、大きさ、燃費の面から
行ってきました。
こうして比較してみることで、両車の特徴が一層はっきりしてきました。
さらに言えば、それぞれの方向性やコンセプトの違いが、車両設計にも現れているように感じました。
また、様々な面から三菱自動車のエクリプスクロスは、CX-3にとって、やはりクロスオーバーSUVの良きライバルであることも分かりました。
ユーザーとしては良いクルマがお互いに切磋琢磨していくことで、さらにこの分野に名車が現れるようになることを祈りたいですね。
アイキャッチ画像引用:https://www.euro-car.info/post-124/