マツダCX-5は、デザイン、走行性、燃費などのバランスが優れているとして、根強い人気を誇っています。
しかし、その一方で、「車内空間が狭い」といったイメージを持っている人もいるようです。
そこで、 CX-5の後部座席の広さや荷室(ラゲッジルーム)容量をチェック。
その結果から、 CX-5での車中泊は可能かどうかを検証してみました。
サンプルにしたのは、2018年3月発売の現行モデルです。
CX-5の後部座席の広さは?
マツダCX-5の後部座席は狭いのではないか。
漠然とながら、そんな思いを抱いている人は少なくありません。
CX-5に限らずSUV車と呼ばれる車の後部座席はそれほど広くないというのが一般的ですが、
CX-5も例外ではないと信じ込んでいる人は意外に多いようなのです。
実際のところはどうなのでしょうか。
CX-5は2列シートの5人乗りです。
2列目シート、つまり後部座席は3人掛けですが、
マツダは長距離ドライブでもゆったり過ごせる室内空間を追求したというだけあって、
現行モデルの後部座席の乗り心地は格段にアップしています。
シートは心持ち硬めですが、ボリュームがあり、ちょうどいい具合に腰をサポートしてくれます。
先代型と比較すると、全高と室内高が15mm減り、後席も着座位置が10mm下がっていますが、
座面の前方を少し大きめに持ち上げているため、大腿部のサポート性は従来のまま。
また、現行モデルは、後部座席のシートもリクライニングできるため、長時間のドライブも快適です。
肝心の広さはというとーー。
空間自体の広さは先代型と同じ。
標準的な体型の成人男性(身長170㎝)が後部座席に座ると、
前の席のシートと膝の間にはコブシふたつ分程度の空間ができます。
標準的な体型が座ると、前席シートをスライドレールの一番後ろまで下げても、
膝が当たることはありません。
後部座席に座った人の足が前席の下に入りやすく、
CX-5の乗車時の快適性は、SUVの中でも優れている部類に入るのではないでしょうか。
後部座席は、4:2:4の分割可倒式で、
後部左右座席のヘッドレスト脇に備え付けられたレバーか、ラゲッジルーム内のレバーを引くことで、
各シートを個別に倒すことができます。
中央席のみ倒す、右側座席のみ倒す、
左側座席と中央席のみ倒す(左側座席を単独で倒すことは不可)、リアシートを全て倒す。
以上、4パターンのシートアレンジができますが、
例えば、中央席を単独で倒した場合には、スキーなどの長尺物を搭載しつつ4名乗車が可能です。
後部座席に2名乗車した場合、リアセンターアームレストを使用するよりも左右席の個別感が高まるため、
キャプテンシートのような感覚で使用ができます。
右座席を倒す、あるいは左座席と中央座席を一緒に倒す場合には、
長くて幅広い荷物を積載しながらも3名乗車が可能です。
このように、荷物の種類や乗車人数によってもシートアレンジが楽しめるのも、
CX-5の魅力のひとつと言えそうです。
CX-5の荷室容量はどのくらいなの?
マツダCX-5の室内全体の大きさは、室内長1890㎜、室内幅1540㎜、室内高1265㎜となっています。
そのうちの後部座席後ろの荷室(ラゲッジルーム)は、奥行き960㎜、幅が1030㎜、高さ850㎜。
容量は505L(これには30Lの床下収納も含まれる)が確保されています。
ただし、BOSEサウンドシステムを装着すると、
トランクボード下にウーファー内臓ベースボックスが設置されるため、荷室の容量は小さくなります。
いずれにしても、数字だけではピンとこないかもしれませんが、
505Lというのは、マツダの公式サイトによると、定員乗車時(後部座席シートをたたまない状態)でも
ゴルフバックが4つ入る大きさです。
(ゴルフバックのサイズやクラブの長さによっては4つ搭載できないことも)
もちろん自転車やベビーカーなどもラクラク積載できそうです。
ちなみに、CX-5の荷室容量の数字はVDA方式で算出されています。
VDA方式とはドイツ自動車工業会での計測方法。
200㎜x100㎜x50㎜、容量1Lのテストボックスが何個積載できるかで、荷室容量を割り出します。
CX-5の場合は505個のテストボックスが積載できるというわけで、荷室容量は505Lとなっているのです。
このVDA方式では、テストボックスがそのまま入らない隙間はカウントされません。
CX-5の荷室の左右端には、タイヤハウスが突出しています。
タイヤハウス周辺の隙間をカウントすれば、カタログ値以上の容積になるはずです。
また、当然ですが、後部座席のシートを倒せば、荷室として使えるスペースは広くなります。
後部座席を前に倒すと、荷室からつながる車後部の奥行きは約1600㎜、
フロントシートをいちばん前までスライドさせれば約1800㎜になります。
これだけの奥行きが確保されていれば、スキー板やスノーボードなど、
長さのある荷物も余裕で積むことができそうですね。
CX-5での車中泊は可能か?
車中泊ができるかどうかによって車の使い勝手は大きく変わってきます。
マツダCX-5の場合も同様、車中泊が可能であれば、より便利に使うことができるでしょう。
CX-5は、果たして車中泊に耐え得る広さや快適性を備えているのでしょうか。
結論から先に言うと、マツダCX-5での車中泊は十分に可能です。
既述した、後部座席シートを倒しときの荷室と後部座席部分のサイズを思い出してください。
フロントシートをいちばん前までスライドさせれば、長さ約1800㎜のスペースが確保できましたよね。
これだけあれば、よほど身長が高い人でない限り、寝転がって足を伸ばし切ることができるはずです。
横幅は1350㎜程度。リア側の狭い部分は960㎜ほどで、多少の出っ張りが気になりますが、
それでも、大人2人が横になるには十分なスペースです。
どうでしょう?
スペース的には、CX-5は車中泊に耐え得る広さだということがわかるでしょう。
では、快適性はどうなのか。
ここで問題になるのが、シートを倒したときに生じる段差です。
後部座席をすべて倒した場合、完全にフラットな状態にはならず、多少の角度が生じてしまうのです。
シート座面にそれなりの厚さがあるためで、仕方がないことなのですが、
背中に凹凸を感じたまま長時間横になるのは厳しいものが……。
スペース的には余裕があっても、熟睡するのはほど遠い環境かもしれません。
しかし、この問題は、車中泊専用のマットを敷くことで解決します。
昨今は、車中泊専用に開発されたマットが市場に出回っています。
10㎝程度の厚みのものもあり、シートを倒したときの段差を解消してくれます。
適度な硬さと厚みが快適な寝心地を実現し、車中でも爆睡できるとの声しきり。
使わないときは、たたんで収納袋に入れておくこともできるため、荷物にもなりません。
こうしたものを上手に利用すれば、マツダCX-5での快適な車中泊が叶えられるはずです!!
アイキャッチ画像引用URL:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/