世界中で人気のマツダのCX-5とトヨタのC-HR。
一口に万能車種・ミドルクラスSUVといっても、気になるのはその車が自分にとって
真に良きパートナーとなるのかどうかですよね。
今回は、価格・大きさ・燃費の三つの大きなカテゴリーに沿って
それぞれの性能・使い勝手・コストパフォーマンスなどを比較してみました。
目次
CX-5とC-HRの価格はどっち?
まずは一番重要なファクターともいえる車体価格から比較してみようと思います。
単純な最安値はC-HRの2WDガソリンモデルです。
CX-5はエントリーグレードでも20万円ほど高めです。
しかし、CX-5は車体が一回り大きいこと、居住性、内外装の高級感、
静寂性、燃費、乗り心地などの点を加味して比較したとき、
コストパフォーマンスという点においてCX-5への評価は安定していて
高いもののC-HRへの評価では意見が大きく分かれています。
CX-5は全体的に無駄を削りシンプルかつエレガントな造形美を追求、
C-HRは外装にダイアモンドをモチーフとした前衛的かつ複雑なデザインを採用、
そのパーツにコストを多く割り当てたことが理由として挙げられるでしょう。
装備のクオリティと充実性
装備を比較してみると、重要度の高いセーフティでは
センサーやシステムの性能はほぼ互角という意見も多い一方、
C-HRの自動ブレーキの方が感度と安定性でわずかに勝っているという意見存在します。
しかし、C-HRのほうがスタート価格は安価なもの
CX-5では全グレード標準装備のリアカメラやブラインドスポットモニターなどが
C-HRでは上位グレードにしか搭載されていないなど、CX-5の標準装備と同じ
セーフティ装備をつけるとなると結局総合的に似たような価格となってしまいます。
また、LEDヘッドライトをはじめとしたその他の標準・オプション装備の豪華さや
充実性ではCX-5に軍配が上がります。
中位~上位グレードで比較すると、C-HRでは 最高グレードでもパワーシート、ステアリング・
シートヒーター などが選択できない、アダプティブLEDヘッドライトが上位グレードでしか
装備できない(CX-5では全車標準装備)など、その差はさらに顕著になります。
ナビの比較では、CX-5は全グレードに標準搭載されているマツダコネクトという
インフォテイメントシステムに挿入して使うナビゲーション用SDカードPLUSの一種類しか
選択肢が存在しませんがその価格は通販で約45,000円~と比較的安価なのに対し、
C-HRではナビゲーションシステムそのものを購入して取り付けなければならず、
開始価格も約95,000~とCX-5の倍ほどかかります。
CX-5とC-HRの大きさは?
CX-5とC-HRの基本的な寸法の違いは以下の通りです。

車体の大きさ
コンパクトSUVデザインではトレンドであるクーペらしさをあまり残さず、
SUVらしい力強さを全面に押し出したCX-5はスポーティなデザインで機動性を
売りにしているC-HRよりも全体的に一回り大きく、また少し重くなっています。
高級感を感じさせる大きさとバランスのとれたデザインですが、
そのために燃費はC-HRよりも多少劣り小回りも利きづらい上に、広めの車幅のせいで
この大きさに慣れていないドライバーからは大きすぎて駐車しづらいなどの不満の声もあるようです。
その点、C-HRは空間性を犠牲にした分機動力の高さは素晴らしく、
舗装路上ではカーブなどでの大胆な走行でも安定していてキビキビと動けるという、
ミドルクラスSUVの中でも大柄なCX-5に対抗しうる利点があります。
室内空間
また内寸に関しては室内デザインなどの影響もあり、CX-5は前部・後部座席共にゆとりがあると
評判ですが、C-HRの後部座席は狭すぎるということはないものの、ゆったりしているとは
言いづらく、居住性が低いという理由でで二人旅などは楽しくできても
体の大きな人はリラックスしづらくファミリーカーには適さないという意見が多いです。
また、そのために後部とサイドの視界が制限されがちで
人によってはC-HR自慢の滑らかな加速を楽しめないかもしれません。
当然ながら積載性にも大きくはないものの差があり、
CX-5は通常時の積載スペースが505L とC-HRの318Lよりも
約2/5ほど広く、また積み入れ口も広めに取ってあるのに対し、
C-HRでは積み入れ口が高く感じられ、使い勝手が悪いと
さらに不満の声を呼ぶ結果となってしまいました。
しかしそもそもの大きも得意分野も違うので単純に比較をするよりも
個人のニーズに合わせて判断をすることが重要と言えるでしょう。
CX-5とC-HRの燃費はどっち?

排気量も車の大きさも違うので当然といえば当然ですが、燃費の良さでは CH-Rに軍配が上がります。
トランスミッションは両者とも全車オートマチックですが、CH-Rは全車CVT(無段変速機)
というエンジンを効率よく回転でき燃費の向上に有利な変速システムを採用しているのに対し
CX-5は独自開発のAT、MT、CVTが合わさった変速システムを採用しています。
ガソリン車同士の比較では、CX-5はディーゼル並みの高圧縮比を実現した
Skyactivエンジンを搭載、また2代目CX-52018年以降のモデルではそれに加え
2.5Lエンジンでのみですが低負荷時2気筒休止システムを取り入れ、
燃料とパワーのロスをさらに抑えることに成功し
このクラスのSUVでは非常に優秀だった燃費をさらに向上させました。
それでもC-HRのガソリン車は排気量も1.2Lと少なく、燃費競争ではCX-5に差をつけています。
ただ、機敏な足取りで小回りが利き消費燃料も少ない反面、坂道や雪道、非舗装路などでは運転していて
不安になる、とパワー不足を鋭く指摘する声が非常に多くあるのが事実です。
また、C-HRは1.2Lガソリンターボ、1.8Lハイブリッドと排気量を低くしてある割には
燃費が悪いとの指摘もありますが、SUVであるということを考えれば
それは燃費競争で世界の最先端ともいえるトヨタへの期待の高さからくるものでしょう。
それぞれの欠点など
郊外などで長距離を高負荷で走ることが多いのであれば
条件次第では22km /Lの燃焼効率を発揮するディーゼルCX-5が
燃料である軽油の安さも相まってとても魅力的ですが、
ストップ&ゴーの多くなる市街地では定期的なDPF再生や こまめな
オイル交換の必要性などで特に冬場は維持費がかさむ傾向にあります。
その点、CH-Rのハイブリッドは圧倒的な燃焼効率で、
ディーゼル車のように気を使って手入れする必要がありません。
ガソリン車で指摘されていたパワー不足もハイブリッドでは
気にならず、SUVの課題とされるカーブでの安定性も抜群との評価が
多いですが、ハイブリッド特有の走行時のバタつきが気になる人は気になるでしょう。
燃費×走行性能
CX-5は人馬一体の走る歓びを堂々とテーマに掲げているだけあって、
その操舵性と安定性は走行速度やロードコンディション、カーブを選ばず
非常に高く評価されています。二代目CX-5は静粛性にも定評があり、
ガソリン車の群を抜く静かさはもちろん、ディーゼル車もガソリン車に
迫ると好評です。C-HRも全体的に高い静粛性を誇りますが、先述の
ハイブリッド車のバタつきは今後も課題になりそうです。
乱暴な言い方をすればそもそも燃費が最重要要素ならSUV以外の選択肢が
賢明と言えますが、両者ともSUVということを考えれば十分高燃費と言えます。
パワーが優先か、市街地での安定した燃費の良さと手入れの楽さが優先か
など、好みの問題を除けばどちらの車が良きパートナーとなるかは
その地域の気候や交通事情によってはっきりと分かれるでしょう。
アイキャッチ画像引用URL:https://toyota.jp/c-hr/