人気急上昇のマツダCX-5には
ガソリン車とクリーンディーゼル車があり、
その違いに疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今までのディーゼルエンジンの常識を覆したマツダCX-5は
条件次第ではガソリン車の完全な上位互換にもなり得ます。
コスパが売りなCX-5、真にお得なのはどちらでしょうか?
目次
CX-5のクリーンディーゼル車
なぜ今更ディーゼルなの?
多くの日本メーカーがしのぎを削りハイブリッドエンジンの開発競争に挑む中、
マツダはクリーンディーゼルエンジンに着目し現在日本で余っている
軽油という燃料源を有効活用することで日本全体におけるガソリン依存の傾向を
緩和するという目的があります。
また、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも燃費に優れCO2排出量も
少ないという特徴があります。ハイブリッドエンジンは燃費では優れていますが、
製造と廃棄にコストと環境負荷が高く問題視されています。
マツダのクリーンディーゼルエンジン「Skyactiv-D」
現在CX-5に搭載されるクリーンディーゼルエンジンは全て同一で、
2.2Lディーゼルターボ・Skyactiv-Dと呼ばれています。
従来のディーゼルエンジンにおいてパワーと引き換えに排出されていた、
不均一な燃焼による騒音や大量の煤などの有害廃棄物(PM)、エンジンの重さや
燃焼効率を引き出すために存在した多くの条件(気温、エンジン負荷、排気物質の
浄化装置と浄化コスト)などの多くの問題を 解決・大幅改善し今までのディーゼル
エンジンの常識を覆したマツダ。その世界最高レベルの技術は国内外で高く評価
されており、CX-5の受注の8割近くはこのディーゼル車ということです。
CX-5のディーゼルモデル
2018年8月現在でマツダから販売されているディーゼル車は全部で6種類あり、
ベーシックグレードはXD、ミドルグレードはXDプロアクティブ、最高グレードは
XD Lパッケージと呼ばれていて各グレードでFWD、AWDのどちらかの駆動方式が
選択できます。また、車両本体のみの最低乗り出し価格はガソリン車の同一グレード
よりもおよそ35万円高額になります。ガソリン車にも共通することですが、
LEDヘッドライトやリアカメラ、自動ブレーキやクルーズコントロールといった
豪華な装備が標準搭載されており、軽油の価格の安さも相まって非常に
コストパフォーマンスに優れています。
ディーゼル車にはナチュラルサウンドスムーザーというノイズキャンセリング
に似た機能が全車に標準搭載されており、走行時の静粛性は一般的なガソリン車
よりも静かであり、耳をすませてやっとエンジン音が聞こえる程度だと言われて
います。この静粛性は新型CX-5のマイナーチェンジでさらに強化されているので、
是非お近くのディーラーに試乗に赴きご自身で体験していただきたいです。
CX-5のガソリン車
マツダのガソリンエンジン「Skyactiv-G」
Skyactiv−X技術を駆使したガソリン車は、ガソリン車としては異例の
ディーゼルエンジンに近い高圧縮比13:0を実現、またガソリンのオクタン価の
高い欧州ではその比率は14:0と量産型のエンジンでは世界一の高圧縮率
ガソリンエンジンとして知られています。ガソリンは燃料と空気の混合気を
圧縮するためにあえて圧縮率を10:0程度に抑えてスパークプラグで火花を起こし
人為的に着火・燃焼させエネルギーを得ます。
マツダは新技術であるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)と感度、性能、精密性の
改良を繰り返したエンジン内のセンサーとコンピューターにより、
シリンダー内でより少ない燃料で均一な燃焼をさせることによりガソリンのみの
単一燃料エンジンでも同重量のハイブリッド車に近い燃費の良さを実現しました。
また、新型CX-5の2.5Lガソリン車では2気筒休止システムを実装。さらなる
燃費の向上が実現しました。
CX-5のガソリンモデル
現在販売されているガソリンモデルはディーゼルと同じく6種類での展開です。
20S、20SプロアクティブはFWDのみ、25S、25S プロアクティブはAWDのみが
選択可能、また最高グレードである25S LパッケージはFWDかAWDを選択可能です。
全体的に本体価格がディーゼルエンジン同一グレードモデルよりも35万円ほど
安いためなのか、パワーサンルーフは最高グレードであるLパッケージでも
選択できない仕様になっています。それ以外はグレードの上昇とともに
装備の豪華さも比例していき、ディーゼルモデルと比べて特別不遇な扱いは
受けていません。
しかし、価格に上乗せされる税金の割引率がガソリン車ではFWDの車両のみ
エコカー減税(取得税20%減税、重量税25%減税)の対象となるのに対し、AWDでは
そのような措置はありません。また、ディーゼル車は全車が取得税・重量税免税、
自動車税75%減税の対象となっています。
CX-5の各車の燃費は?
マツダ公式ウェブサイトによるカタログ燃費は以下の通りです。


全体的に言えることは、FWD車はAWD車に比べて消費燃料が若干少なく安上がり
ということですが、これは何もマツダに限ったことではありません。
また、日本国内外の一般的な車メーカーでは実燃費との誤差が大きく生じてしまう
JC08モードでの燃費計算を行なっており、よく言えば希望的、悪く言うなら
燃費のサバ読みをしているケースが多い中、マツダはあえて実燃費に近い
現実的な数値を算出する努力をしていることがわかります。
二つ目の表であるWLTCモードはより測定条件が厳しく実燃費に近い燃費計測を
目的とした世界統一燃費測定法および算出法で、日本でも2018年10月からは
このモードでの燃費測定が全国で義務付けられます。
ガソリン車での燃費とパワー
CX-5ガソリン車での燃費はカタログ値ではFWD車がわずかに勝っていますが、
改良後の2.5Lエンジンではその差は少なくなるとのこと。
街乗りのみを前提としている場合は20Sでも十分に日常生活におけるタスクを
こなすだけのパワーは備わっているので、あえて数十万円上乗せする必要も
ないかもしれませんね。
ちなみに、20Sと20Sプロアクティブの金額差は194,400であり、
ガソリン価格135円/Lと平均実燃費13km/Lで計算した場合
194,400÷135=1,440L
1440L×13km=18,720km
およそ2万km分のガソリンを節約できることになります。
しかし、雪国にお住いの方や坂道などの傾斜路を多く走る方は同じFWDでも
2.5Lエンジンの方が安心でしょう。
そして、2.5Lガソリンエンジンでは2気筒休筒システムによって低負荷走行時の
燃費が解消されているので、ガソリンエンジンでも長距離を走ることが多い方は
こちらも選択肢に入るかもしれません。
ディーゼル車での燃費とパワー
CX-5ディーゼル車の実燃費は、市街地・郊外においてはWLTCモードでの
カタログ値とほぼ同等か1km〜2km/Lほど前後するくらいです。
しかし、本領を発揮できる高速道路ではカタログ燃費とは裏腹に1500kgの
巨体にも関わらず22km/Lという驚異の燃費の良さで、軽油の価格の安さも
相まって相当なお得感があります。
パワーについてもFWD、AWDモデル両方でネガティブな意見はほとんど
ありませんでした。ディーゼルといえば低負荷時と低気温時の燃費悪化が
心配になるところですが、CX-5搭載のエンジンはディーゼルターボであること、
また排気バルブを改良し高熱の排気ガスを微量でシリンダーに逆流させることで
従来のクリーンディーゼルエンジンよりも冬の低い気温の影響を
受けづらくなりました。ガソリンと比べて頻繁なオイル交換が必要になると
いう注意点もありますが、長距離を頻繁に運転するなら初期費用がかかっても
免税などの処置もあるディーゼル車の方が長期的に見たら経済的かもしれません。
アイキャッチ画像引用URL:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5