長い歴史の中で、世界的SUVとして愛されてきたトヨタ・ランドクルーザー。
現行モデルも高級SUVの日本代表として、世界中で人気を博しています。
そんなランドクルーザーですが、不具合やリコールの報告はあるでしょうか。
また、不具合やリコールへのメーカーの対応についてもご紹介します。
目次
トヨタランドクルーザーの不具合報告はあるの?
引用:https://toyota.jp/landcruiser/
車は多くの部品でつくられた機械です。
パーツとパーツを止める小さなねじまで含めると、3万個ものパーツになるんだとか。
当然すべてが完全に動くわけではなく、あるいは経年とともに、どこかしらに不具合が生じることはあります。
後者は「経年劣化」と言ってしまえば片付く話ですが、前者はもしかすると工場出荷時から抱えている不具合かもしれません。
いつも乗っていた車が、突然トラブルを起こして止まってしまった、、、なんてなったら気が気ではありませんね。
止まらなかったとしても、変な音がしたり、変なにおいがしたり、なんとなくハンドリングがおかしくなったり、、、運転中に違和感を覚えることもあるでしょう。
そういった不具合は、インターネットが発達した現在、価格.comやみんカラなどの口コミサイトに少なからず報告されています。
ここでは、ランドクルーザーユーザーから寄せられた愛車の不具合についてご紹介します。
KDSSのオイル漏れ
引用:https://toyota.jp/technology/chassis/kdss/
2月末にランクル200が納車になって、浮かれている”明日はどこへ行こうか?”です。
無事1ヶ月点検も終わり、これから遠出でもしようかというところで、不具合発生です。先日、出かけようと思い、ランクルに近づいたところ、左前輪付近にの車庫の床に油染みができていました。まあ、1ヶ月点検でオイル交換もしたことだし、オイルパンからの滲みだろうと思いながらも念のため、ディラーで確認をしてもらったところ、なんとKDSSのコントロールシリンダーからの油漏れでした。ディラーでは、このコントロールシリンダーを交換する手配を取ってもらっていますが、皆さんの200はいかがですか??コントロールシリンダーから油は漏れていませんか?
また、通常交換するようなものではないような気がするので、本当に交換してしまって後々別の不具合の種にならないかも今になって心配になってきました。詳しい方が見えたらアドバイスをお願いします。
ちなみに現在の走行距離は、1300km程度です。
引用:価格.com
文章中のKDSSとは、AX”Gセレクション”にのみ採用されている「キネティックダイナミックサスペンションシステム」の略で、車の前後にあるスタビライザーを油圧システムで結合し、スタビライザーの効力を自動的にコントロールする仕組みです。
基本的にスタビライザーを固くすれば車体の傾きは抑えられますが、極端に硬くするとグリップを失います。
また、フロント側を固くするとアンダーステア(直進安定性が増す)になり、リア側を固くするとオーバーステア(曲がりやすくなる)になります。
KDSSはこれらを調整して最適な走行を支援するシステムです。
この質問者さんはディーラーで修理してもらったそうで、その後不具合は出ていないようです。
また、メーカーのお客様相談室に問い合わせた時は、メーカーとしてこの不具合を把握していないとのことでした。
プラスチック類のミシミシ音
引用:https://toyota.jp/landcruiser/grade/grade1/
購入してもうすぐ1年。やく1万6千KM走行しました。
最近助手席側の中央から、振動時にミシミシ音が聞こえ
始めました。聞こえるのは、30分ほど走行してからです。
耳をすませていると、中央のMDプレーヤーとパッドのついている、プラスチック部分の建付けが悪いのかそこから、音がしているようです。振動時にそこを押さえると鳴りません。
そのような症状の方、いらっしゃいますか?なぜ、走行し始めてしばらくして鳴りはじめるのか?不思議に思っています。ディラーにいうと対処してくれるのでしょうか?
そのような所有者いらっしゃいましたら教えてください。引用:みんカラ
この方は、助手席のインパネ類から謎のミシミシという音が聞こえるという不具合です。
また、同様の不具合は他の方も見られたようで、似たような事例がいくつか報告されていました。
ランドクルーザーのインパネ類、そしてスピーカーなどにはプラスチックが採用されています。
当然プラスチックは熱に弱いため、暑くなれば変形し、最悪の場合溶け出すことがあります。
この音は天候によってなる日とならない日があるようで、温度によるプラスチック部分の膨張・収縮が原因と考えられます。
尚、修理したらまた別の場所から音が出たという意見もあり、結構多発しているようですが、最初にこの発言があったのが1万6000キロも走ってからのため、もしかすると経年劣化と考えられるかもしれません。
トヨタランドクルーザーのリコールの情報は出ているのか?
引用:https://toyota.jp/landcruiser/gallery/
ここからは、直さないと危険な事故に直結する不具合、リコールについてです。
よくテレビで「○○万台リコール」と流れていたりするアレです。
リコールと言う言葉の意味は「欠陥製品を生産者が公表し、製品をいったん回収して無料で修理すること」を指します。
なので、リコール対象となった欠陥は無償での修理が当然なのです。
ここに1つ、メーカーがリコールをしたがらない理由があります。
リコール対象が数台ならまだしも、これが数万台クラスになると多額の修理費を自分たちで出さなければいけないからです。
仮に5万台リコールとなり、1台につき修理に1万円かかるとすれば、1回のリコールで5億円の損失となります。
とはいえ重大なリコールを隠していて大きな事故が起きてしまったら、リコール隠しとして大々的に報じられてメーカーの信用失墜にもつながります。
ですから、本当に大事な場合のみリコールを出し、ある程度普段の修理で何とかなる場合はリコールは出しません。
では、ランドクルーザーのリコールについてご紹介します。
平成18年10月4日のサービスキャンペ―ン
引用:https://www.flexnet.co.jp/landcruiser/200/200-articles/post-21884
ランドクルーザーのご愛用車の一部につきまして、平成18年10月4日より、下記内容のサービスキャンペーンを実施させていただくことに致しました。
1.車両の現象
(1)オフロードや大きな段差乗り上げなどの走行を繰り返し行うと、ステアリングやサスペンション関係に過大な力が加わることがあり、ナックルアーム取付部が弛んだり、ギヤボックスのクロスシャフトに変形等が生じることがあります。そのため、適切な点検整備がなされずにそのまま長期間使用をされますと、当該部位が損傷することがあります。
(2)バッテリーが性能劣化した状態でエンジンを始動すると、電圧低下によりスタータ回路制御用コンピュータの作動が不安定となり、電磁スイッチの接点が短時間にON-OFFを繰り返し、接点の摩耗が早まることがあります。そのため、エンジンの始動に時間がかかったり、異音が発生することがあり、そのまま使用してスタータの電磁スイッチの接点が摩耗限度を超えると、接点に局部的な発熱が生じて溶着し、スタータが回転し続けて発煙することがあります。
2.改善の内容
(1)車の使用・取り扱い上の注意と点検整備の必要性についてお知らせするとともに、ステアリング関係を点検(無料)し、異常がある場合は、整備を依頼させていただきます。
(2)バッテリーの保守管理と始動時の注意事項についてお知らせするとともに、スタータの電磁スイッチを点検(無料)し、接点の摩耗が大きいものは新品と交換します。
サービスキャンペーンと言う、聞きなれない言葉が現れました。
実は自動車のリコール制度には「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3種類があります。
「リコール」は先述のとおり自動車としての保安基準を満たしていないゆえに放置すると重大な事故につながる可能性のあるものです。
「改善対策」は自動車の保安基準に規定はないものの、不具合が発生した場合に安全や環境の観点から看破できないものです。
「サービスキャンペーン」はリコールや改善対策ほどではないが、品質上不快な思いや違和感をともなうもので、放置しても重大な事故につながらないものです。
つまりリコールの重要度は、リコール>改善対策>サービスキャンペーンの順に並ぶわけです。
このランドクルーザーのリコールは、走行中の負担が大きい部分の変形と、バッテリーの劣化に伴うスタータの異常に対するサービスキャンペーンのお知らせです。
もちろんサービスキャンペーンなので放置しても重大な事故につながることはないですが、快適な運転が損なわれる以上、直すに越したことはありません。
せっかく無料で点検してもらえるなら点検に出して損はないはずですよ。
平成29年8月31日のリコール
引用:https://toyota.jp/landcruiser/interior/seat/
平成14年から平成28年に生産したランドクルーザー、カローラの8台につきまして、平成29年8月31日に下記内容のリコールを国土交通省へ届け出しました。
ご愛用の皆様にはご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんが、トヨタ販売店からご案内させていただきますので、お早めに点検・修理をお受けいただきますようお願い申し上げます。お客様のご愛用車が対象車両かどうかは、リコール等情報対象車両検索でご確認いただけます。
なお、レクサス車につきましては、平成28年2月24日に生産したLX570が対象となります。
詳細につきましては、レクサスHPのリコール情報でご確認いただけます。1.不具合の状況
運転者席用または助手席用エアバッグにおいて、車両工場での作業が不適切なため、異なる仕様の部品を搭載したものがあります。このため、エアバッグ作動時に正常に展開しないおそれがあります。
2.改善の内容
全車両、運転者席用または助手席用エアバッグアッセンブリを良品と交換します。
これは、特定のランドクルーザーに対するエアバッグ異常のリコールです。
工場でのパーツの取り付けが不適切であることから起きたエアバッグ異常なので、典型的なリコールの事案と言えるでしょう。
皆さんご存知エアバッグは、事故を起こした際に前につんのめってくるドライバーを風船のようなもので受け止め、その衝撃を吸収するための装置です。
衝突事故などの際にエアバッグが出てこないと、減速と衝撃で運転手は前へ飛び出し、良ければハンドルやインパネに激突し、最悪の場合フロントガラスを突き破って車外に飛び出してしまいます。
そうなっては「ごめんなさい」では済まされませんから、ここでのリコールは当然と言えるでしょう。
ただし、平成14年から生産されたランクル相手のリコールにしては、少し遅いかな?と思ってしまいます。
発売されてからここまで重大な事故がなかったのは、不幸中の幸いでしたね。
トヨタランドクルーザーの不具合とリコール対応状況とまとめ
引用:https://toyota.jp/landcruiser/gallery/
ここまでランドクルーザーの不具合・リコールについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
残念ながらランドクルーザーには、いくつかの不具合やリコールの情報がありました。
ランドクルーザーAX”Gセレクション”にはKDSSのオイル漏れの不具合があり、またその他のグレードにもプラスチック部分の膨張・収縮による不快な音、と言う不具合も報告されました。
ただ他にも不具合は報告されているものの、複数人の症状ではなく1台だけであったり、すぐ修理可能な簡単なものがほとんどでした。
そしてリコール情報ですが、圧力による負担からくるパーツの損傷に対するサービスキャンペーン、そして工場内の不適切な作業によるパーツの取り違えによるエアバッグのリコール、2点が報告されました。
ただ、この2点を除くリコールの情報はほとんどなく、またトヨタ側の対応も、無償修理に応じるなどしっかりしていたところは好印象でした。
車は工場で機械生産することが当たり前になってきましたが、細かいところは結局人間の仕事になります。
ある特定の部分人間が組み立て、そして組み立てる機会を動かすのも人間ですから、車にはどうしても不具合が出てきてしまいます。
自分の車がリコール対象になったとしても「事故を起こす前でよかった」「もっと良くなる」と考えて、しっかり修理しに行きましょう。
アイキャッチ画像引用URL:https://toyota.jp/landcruiser/