トールワゴン型コンパクトカーとして有名なトヨタ・ルーミー。
市街地でも取り回しの良いコンパクトサイズと広い室内空間を併せ持つ車です。
そんなルーミーですが、燃費はどれほどのものなのでしょうか?
また実燃費はどうなっているのでしょうか?
目次
トヨタルーミーの燃費はどう?
引用:https://toyota.jp/roomy/grade/special/
トヨタ・ルーミーはコンパクトカーですが、最近主流のトールワゴン型コンパクトカーに分類される車です。
これらの車の特徴として、長さや幅はコンパクトカーと大差ないものの車体の全高が高く、機械式駐車場の限度と言われている1,550mmを超えているものがほとんどです。
とはいってもコンパクトカーの規格を逸脱しているわけではないため、車高の高さによる若干のふらつきを除けば取り回しはよく、市街地などハンドル操作が多い場面では室内空間の広さも相まって重宝します。
このようなトールワゴン型のコンパクトカーは、車重も重いわけではないため、燃費は比較的よい傾向にあります。
というわけで、トヨタが公表しているルーミーの燃費についてご紹介しましょう。
ルーミーの燃費
引用:https://toyota.jp/roomy/performance/engine/
ルーミーの燃費は以下の通りです。
尚、すべてJC08モードによる測定値です。
○G-T/カスタムG-T(すべて2WD):21.8km/L
○X/X”S”/G/カスタムG(すべて2WD):24.6km/L
○4WD車:22.0km/L
いかがでしょうか?
ルーミーにはハイブリッド車の設定がないため、さすがにプリウスやC-HRのような30km/Lオーバーの燃費は出せませんが、それでも最大24km/Lオーバーなので、ガソリン車としては極めて優秀な数値であります。
尚、4WD車は車体安定性や走行能力の面で2WD車よりも優位に立っていますが、その分メカ的な重量増が避けられず、その結果燃費は悪くなります。
また、G-TとカスタムG-Tグレードがそれ以外のグレードよりも燃費が悪いのは、ターボエンジンを搭載しているからでしょう。
ターボはエンジンの燃焼エネルギーを高める効果を持っているため、パワーは得られますが燃費が犠牲になります。
つまり、4WD車にしろターボ車にしろ、走行性能を上げるためには燃費を犠牲にしなければならないということです。
トヨタルーミーの実燃費と燃費確認の情報
引用:https://toyota.jp/roomy/interior/
つづいて、ルーミーの実燃費を確認していきましょう。
実燃費とは「実際の走行により得られた燃費」のことです。
実際のところ、これまで燃費測定方法として使われていた「JC08モード」は、測定環境が実際の走行条件とかけ離れていることが多く、これで得られた燃費(以降カタログ燃費)が実際の走行で出ることは少ないです。
「カタログ燃費の6割くらいが相場」と言われており、カタログ燃費に近い値を出せるということはそれだけ燃費の良い走りをしている特徴でもあります。
こういった状況を打破するため、2018年10月より「WLTCモード」と呼ばれる新たな燃費測定方法に切り替わっています。
これは世界基準の燃費測定ガイドラインである「WLTP」に準拠した測定方法で、これまでの燃費測定方法よりも実燃費に近いカタログ燃費を得ることができるとされています。
2018年10月以降に発売される車はWLTCモードによるカタログ燃費掲載が義務化されており、モデルチェンジが入った旧モデルも順次WLTCモードによるカタログ燃費に切り替わってゆきます。
前置きが長くなってしまいましたが、ルーミーの実燃費を確認してみましょう。
尚、実燃費は「e燃費」の値を参考にしています。
ルーミーの実燃費
引用:https://toyota.jp/roomy/performance/operation/
○G-T/カスタムG-T(すべて2WD):13.26km/L
○X/X”S”/G/カスタムG(すべて2WD):14.62km/L
○4WD車:14.11km/L
いかがでしょうか?
燃費は走行条件などに強く影響されるため一概には言えませんが、ルーミーユーザーの平均値は以上の通りです。
G-Tグレードの値は13.26km/Lですから、カタログ燃費の約61%なので、まあJC08モードなら誤差の範囲といったところですが、ちょっとカタログ燃費の値が良すぎる気もします。
それ以外の2WD車ノンターボグレードの燃費は14.62km/Lですが、これはカタログ燃費の約59%と、基準値である60%を切っています。
これはちょっとカタログ燃費が詐欺だと言われても文句言えないレベルですね。
4WD車の燃費は14.11km/Lですが、これはカタログ燃費の約64%に相当するレベルです。
他の2つのグレードと比較すれば善戦しています。
引用:https://toyota.jp/roomy/exterior/
というわけで、どのグレードもカタログ燃費のおよそ60%程度しか発揮できていないことがわかりました。
この原因は2つ推測できます
1つは「e燃費」に実燃費を登録しているユーザーがみんなそろって燃費に配慮した運転をしなかったから。
もう1つは、トヨタの燃費測定がイマイチだから。
わざわざ登録制の燃費管理サイトに登録して燃費を教えてくれるくらいですから前者はあまり考えたくありませんし、これは後者を疑わざるを得ません。
まあ、実燃費が低いのはどの車も同じなのでこれ以上トヨタをいじめる気はありませんが、マツダの様に早いところWLTCモードに移行して、信ぴょう性の高い燃費を提示してほしいものです。
トヨタルーミーの燃費は向上しているのか?
引用:https://www.carsensor.net/contents/terms/category_487/_12172.html
さて、最後はルーミーの燃費が向上しているのかについてご紹介します。
といっても、ルーミーと名の付いた車はこれが「初代」なので、歴代のルーミーと比較するわけではありません。
これまでルーミーと同コンセプトで作られてきた車はトヨタに多くありますから、それらと比較してみましょう。
ファンカーゴ(1999年)
引用:https://www.carsensor.net/catalog/toyota/funcargo/F001/
トヨタにおけるトールワゴンの先駆けといえばこの車でしょうか。
ヴィッツのプラットフォームを借りているため、フロントがやたらヴィッツと似ている印象を受けます。
このころはまだ「JC08モード」以前の燃費測定方法である「10・15モード」を採用していました。
直接比較をするのはナンセンスな気もしますが、古いので仕方ありません。
○2WD車:15.0~18.0km/L
○4WD車:14.0~14.6km/L
いかがでしょうか?
現代の車と比較してみると、燃費が非常に悪いですね。
良い値の出やすい10・15モードでこのザマですから、JC08モードで比較してもかなわなかったでしょう。
bB(2005年)
引用:https://www.carsensor.net/catalog/toyota/bb/F002/
bBといえば2000年に発売された、カスタマイズを意識したトールワゴン。
2代目bBは2005年の発売以降今日までロングランを続けています。
○2WD車(JC08モード):14.6~15.0km/L
○4WD車(10・15モード):15.2km/L
いかがでしょうか?
このころからJC08モードが採用されていますが、それでもルーミーには及びません。
ただ、どちらもファンカーゴの時と比較して燃費は伸びています。
2WD車が負けているように見えるのは燃費測定方法が違うだけで、両方ともJC08モードで計測すればbBの方が燃費が良いです。
ポルテ(2012年)
引用:https://www.carsensor.net/catalog/toyota/porte/
本来は福祉車両向けに作られた車であるため、乗り降りのしやすさがバツグンに良かったポルテ。
2代目になって国内需要の高まりからトールワゴンへと進化しましたが、使い勝手の良さに変わりはありません。
ルーミーとは現在ライバル関係にあります。
○2WD車(JC08モード):22.2km/L
○4WD車(JC08モード):16.0km/L
いかがでしょうか?
わずかですがルーミーの方がリードしているようですが、これは登場年が4年も違うからでしょう。
ルーミーの方が燃費対策が進んでいるはずですから仕方のないことです。
それでも2WD車のターボグレードには勝っているので一矢報いたといったところでしょうか。
ポルテがノンターボなことには突っ込まないで置きます。
以上、ルーミーの燃費は歴代のトールワゴンと比較して着実に向上していることがわかっていただけたでしょうか。
引用:https://toyota.jp/roomy/performance/
今回はルーミーの燃費についてご紹介しました。
燃費を意識した走りをすることで、車の燃費はいくらでも向上できます。
燃費の良い走りとはすなわち経済的にも優しい走りということ。
お財布と車に優しい、そんな走り方をしたいものですね。