日産セレナは2018年3月にe-POWER車がラインナップに追加され、
9月にS-HYBRID車とガソリン車の安全装備拡充など仕様向上がなされたことが記憶に新しいですね。
今回は現行の新型セレナと旧型を比較してみましょう。
目次
日産セレナの現行・新型車種について
現行のセレナは2016年8月にフルモデルチェンジをした5代目セレナです。
外観を一新したほか、ボディカラーは全12色に増加、
内装色は5色設定されました。
室内長は4代目よりも180mm拡大した3,240mmで、
運転席・後方への視界が向上しました。
さらに装備面ではハンズフリーオートスライドドアを採用、
バックドアはデュアルバックドア、給油口にはキャップレス給油口が採用され、
高速道路などでの単一車線運転支援技術「プロパイロット」が採用されました。
また、渋滞で止まってもブレーキを保持するオートブレーキホールド、
インテリジェントパーキングアシストなど、装備は盛りだくさんです。
そして特筆すべきは、2018年3月に登場したe-POWER搭載車でしょう。
e-POWER搭載車はe-POWER Driveモードが設定されており、
Sモード、ECOモード、それからそれぞれで使えるマナーモードとチャージモードがあります。
Sモードはカーブの連続する山道など、頻繁に加速と減速を繰り返すようなシーンに向いており、
ECOモードでは街中を走ったり、発進・停止を繰り返す渋滞を走ったりするようなシーンに向いています。
これら二つのe-POWER DRIVEモードではアクセルペダルだけで減速操作することができ、
この点はノートe-POWERと同様です。
また、早朝や深夜など、静かに走る場合にはマナーモードが便利です。
チャージモードでバッテリー残量を増やしておき、
マナーモードへ切り替えれば発電用エンジンの作動が極力抑えられ、
バッテリー満タンの状態で約3kmほど走行することができます。
燃費に関しても、ミニバンクラスNo.1を謳うのは伊達ではありません。
カタログ値だけみても、16.6km/L/26.2km/Lと大きく差がついており、
実燃費を平均すると、14km/L/17km/Lあたりとやはりe-POWER車が勝っています
ただし、セレナe-POWERはモータのみでの走行ですので、
高い速度域や巡航走行、上り坂での加速など、強い負荷がかかり続けるシーンは得意ではなく、
バッテリーをあっという間に消費してしまいます。
そうすると、エンジンも充電のためにフル稼働してしまい、燃費が悪化してしまうことになりますので、
走行シーンにより左右される場合は多いでしょう。
また、大きな売りの一つである「プロパイロット」機能についても触れておきましょう。
単調な渋滞走行と長時間の巡航走行を補助してくれる便利な機能で、
ドライバーに代わってアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御してくれます。
2018年~2019年にはプロパイロットを複数車線で対応可能にバージョンアップさせると
メーカが発表しており、この点でも期待が持てますね。
ただしプロパイロットは完全自動運転システムではありません。
あくまでも基本的には運転支援システムです。
メーカが推奨しているのは高速道路や自動車専用道路ですし、
基本的には運転するのは運転手ですので、過信は禁物です。
日産セレナの旧型車種はどうか?
旧型であるC26型をみていきましょう。
機能としては新型が全体的に上回っていますので、あまり比較してもしょうがないのですが、
比べてみるとすると外見と見た目ですね。
5代目セレナのフルモデルチェンジでは外見が一新されました。
旧型セレナはやや丸みがあり優しげな表情が特徴的でした。
セレナを選ぶ人の声では、「オラついた感じがない」という声もいくつか聞かれます。
女性ドライバー人気や、パートナーの意見を取り入れるとセレナが高評価、というのも見受けられますね。
それに対して、新型セレナはトレンドに近づき、
迫力のあるデザインになっています。
日産のデザインを象徴する「Vモーション」も、
旧型に比べるとメッキ部分がより太く、力強くなっています。
(それでもトヨタのヴォクシーとかと比較すると柔らかい方ではありますが……)
ですので、優しく柔らかなデザインがお好みであれば、旧型も選択肢に入ってくると言えるでしょう。
価格も見ておきましょう。
セレナ X VセレクションⅡでプロパイロットを搭載したセーフティパックBでは、
諸々込みで3,102,059円、
e-POWER XVで同様の条件の場合、3,561,119円です。
それに対して、C26系の中古車市場を見てみますと、
1,371,000~2,492,000円(参考)とピンキリですが、
中古なだけあり、新車の新型より圧倒的に安いと言えます。
日産セレナの年式によって比較してみる
最後に、年式によって比較してみましょう。
旧型C26系のマイナーチェンジ前後、
現行C27系をそれぞれどのように変化していったのかみてみます。
2010年11月発売モデル(旧型)
レギュラーモデルは5ナンバーサイズ、
ハイウェイスターは、エアロパーツ装着により3ナンバーサイズです。
新型2L 直列4気筒直噴「MR20DD」エンジン、
ツインVTC(可変バルブタイミングコントロール機構)を搭載。
エクストロニックCVTとの組み合わせとなります。
エクストロニックCVTは無段変速のトランスミッションで、
エンジンの豊かな低速トルクをダイレクトに加速力に変換し、変速レスポンスを向上させています。
また、ワイドレンジ化や徹底したフリクションの低減、
ロックアップ領域の拡大により、
パワフルでスムーズな加速を生み出しています。
グレードはベースとなる「20S」、
助手席側ワンタッチオートスライドドアやVDC(ビークルダイナミクスコントロール[TCS機能含む])などを備える充実装備の「20X」、
ハロゲンフォグランプやアルミホイール、本革巻3本スポークステアリング、ベロア/スエードシート表皮など上級「20G」、
16インチアルミホイールに専用サスペンションとした「ハイウェイスター」の4タイプ。
そのほかオーテックジャパンより、
エクステリア・インテリアをトータルコーディネートしたカスタムカー「ライダー」も設定されました。
20X以上は、信号待ちなどの停車時にエンジンを自動的に停止するアイドリングストップシステム(ECOモーター式)を備え、
空気抵抗低減とともに、低燃費15.4 km/L(10・15モード)を実現しています。
パノラミックルーフやバックビューモニター、
カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵・HDD方式)+7インチワイドVGAディスプレイなどの快適装備をオプションで装着可能。
2013年12月発売モデル(マイナーチェンジ)
レギュラーモデルは5ナンバーサイズ、
ハイウェイスターは、エアロパーツ装着により3ナンバーサイズです。
2L 直列4気筒直噴「MR20DD」エンジン、
エクストロニックCVT(無段変速機)との組み合わせは変わらず。
ラインアップは、「20S」、「20X」、「20G」、「ハイウェイスター」に加えて、
ハイブリッドシステム「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」を搭載した、
「20X S-ハイブリッド」、「20G S-ハイブリッド」、「ハイウェイスター S-ハイブリッド」、「ハイウェイスターG S-ハイブリッド」が追加されたことが大きな違いです。
また、「20S」を除く全グレードに、「MOD(移動物 検知)」機能を追加した「アラウンドビューモニター」や「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ふらつき警報」が、「アドバンスドセーフティ パッケージ」として追加設定されました。
また、安全装備として衝突回避を支援する「エマージェンシーブレーキ」と「LDW(車線逸脱警報)」も搭載しています。
この辺りの装備は改良され現行のセレナにも引き継がれています。
そのほかオーテックジャパンより、
「20X S-ハイブリッド」(2WD)、「20X」(4WD)をベースに、
エクステリア・インテリアをトータルコーディネートしたカスタムカー「ライダー」、
ライダーをベースにバランスの取れたトータルチューニングを施した「ライダー パフォーマンススペック」や、
ダーククロムのフロントグリルなどを採用し、人気の高いアイテムを標準装備とした「ライダー ブラックライン」が発売。
エクステリアデザインは、フロントからリヤまでデザインを一新され、
全車、立体的で存在感のあるフロントグリルと、二段構えのヘッドランプを採用した他、
「ハイウェイスター」 には、
フロントバンパーからの流れを受けた動きを感じさせるデザインのサイドシルプロテクターを装備し、
16インチアルミホイールに切削面の輝きが特徴的なスポーティーなデザインが新たに採用されました。
インテリアは、「ハイウェイスター」のブラックインテリア、
「20G」のフェザーグレーインテリアを一新。
「ハイウェイスターG」には新規オプションとしてシートのカラー・素材・パネル加飾を刷新し先進感と上質感を合わせ持たせた「プレミアムハイコントラストインテリア」を設定。
同時に、「ライダー」シリーズでは、エクステリアで最大の特徴であるフロントスタイルを一新したほか、専用のアルミホイールやインテリアの加飾フィニッシャーのデザインも変更。
さらに、追加カスタマイズするためのディーラーオプション、
専用フロントプロテクターもデザインを一新し、あわせて、専用フロントプロテクターデカールが新たに設定されました。
2016年8月発売モデル(現行)
2L 直列4気筒直噴「MR20DD」エンジン搭載と、
エクストロニックCVT(無段変速機)の組み合わせは変わらず。
5代目へのフルモデルチェンジでは、
前モデルより室内長を180mm広くし、
クルマに触れずに開閉可能な「ハンズフリースライドドア(グレード別設定またはメーカーオプション)」や2通りの開き方ができる「デュアルバックドア」を装備しています。
また、前述のように同一車線自動運転技術「プロパイロット」を採用。
「プロパイロット」は高速道路などの自動車専用道路において、
ドライバーが設定した車速(約30~100km/h)を上限に、
先行車両との車間距離を一定に保つよう制御することに加え、
車線中央を走行するようにステアリング操作を支援し、ドライバーの運転をサポートします。
ラインアップは、「S」、「X」、「G」、「ハイウェイスター」、「ハイウェイスターG」が用意されています。
エクステリアは、新世代の日産デザインを象徴する「Vモーション」を採用したフロントグリル、
まるで浮いているように見える屋根がキャビンの広さを感じさせる「フローティングルーフ」を採用。
インテリアでは、翼のように広がり、
パノラミックな開放感を実現した「グライディングウィング」デザインのインストルメントパネルを採用。
また、同一車線自動運転技術「プロパイロット」を標準装備した特別仕様車
「ハイウェイスター プロパイロットエディション」、
「ハイウェイスターG プロパイロットエディション」が設定されたほか、
オーテックジャパンより、「X(2WD/4WD)」をベースに、
エクステリア・インテリアをトータルコーディネートしたカスタムカー「ライダー」、
「ライダー プロパイロットエディション」が発売されました。
エクステリアでは、フロントグリルやバンパーグリルに独特の輝きを放つメタル調の塗装を施し、
シャープな造形のフロントバンパー下部には、
奥行き深くブルーの光を放つ「ブルーホールLED」を採用。
インテリアでは、インストパネルへも専用表皮を張り込み、
シートやステアリングと合わせてブルーステッチがあしらわれています。
さらに、同社創立30周年を記念した特別仕様車「ライダー オーテック30thアニバーサリー」、
「ライダー オーテック30thアニバーサリー プロパイロットエディション」も設定され、
ブラキッシュメタル調塗装のエクステリアパーツや、
シャープな輝きを放つLEDのランプ類を採用したほか、
「セレナ」で唯一のレザーシートを装備し、特別感のあるモデルとなっています。
2018年3月発売モデル(e-POWER追加)
ラインアップは、「S」、「X」、「G」、「ハイウェイスター」、「ハイウェイスターG」に加えて、
専用設計のフロントバンパーやリヤスポイラーを採用した「ニスモ」が追加されました。
オーテックジャパンより、新たなカスタムカー「オーテック」、
「オーテック スポーツスペック」、「オーテック Vパッケージ」、
「オーテック セーフティーパッケージ」が追加され、
特別仕様車では、「X」、「ハイウェイスター」をベースに「X Vセレクション」、
「ハイウェイスター Vセレクション」が設定されています。
特筆すべきは、電動パワートレイン「e‐POWER」を搭載した
「e‐パワー X」、「e‐パワー XV」、
「e‐パワー ハイウェイスター」、「e‐パワー ハイウェイスターV」の追加です。
搭載しているガソリンエンジンにより発電し、その電力を利用してモーターの力で走行。
「セレナ」が誇る室内の広さや使い勝手の良さ、乗り心地の快適性などはそのままに、
さまざまなシーンや走行環境において、
100%モーター駆動ならではの力強くレスポンスの良い加速を実現するとともに、
車速に応じたエンジン回転制御とボディの随所に防音対策を施すことにより、
クラスを超えた高い静粛性を実現しています。
また、燃費性能では、発電用エンジンでの効率的な発電や優れた空力性能により、
26.2km/L(JC08モード)の低燃費を達成しました。
エクステリアは、専用の15インチの切削アルミホイール、
ルーフサイドスポイラーを新たにデザインし空力を向上。
インテリアは、シフトバイワイヤー機能のシフトノブや、
ブルーアクセントのイルミネーションを大型のマルチセンターコンソールトレイにあしらい、
より先進的なイメージのデザインとなりました。
また、同時にオーテックジャパンより、
スポーティでありながらよりプレミアム感の高い「e‐パワー オーテック」も追加されました。
エクステリアは、プレミアムスポーティとして細部まで作り込まれたディティールと、
メタリックシルバーの専用パーツによって上質と先進性を表現。
インテリアは、クリスタルスエード仕様のシートを採用し、
「AUTECH」のアイコニックカラーであるブルーを随所にあしらい、上質な素材とディティールにこだわった。
2018年9月発売モデル(仕様向上)
基本的には3月の追加から大きく変わったわけではありませんが、
9月の仕様向上では、「e‐パワー」に標準設定している「ハイビームアシスト」が全車に設定されました。
加えて、最高速度標識検知および一時停止標識検知機能を追加し、
標識検知機能が向上。
また、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる衝突防止を支援する
「踏み間違い衝突防止アシスト」については、前方の歩行者検知が可能な仕様に機能が向上。
同時に、「X」、「ハイウェイスター」をベースに
「X VセレクションII」、「ハイウェイスター VセレクションII」が設定されました。
両側「ワンタッチオートスライドドア」など使い勝手のいいアイテムを装備しています。
長くなりましたが、直近でのセレナの変遷がわかるかと思います。
簡単にまとめますと、4代目の大きなポイントは2013年12月のマイナーチェンジで追加された
ハイブリッドシステム「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」搭載車の登場でしょう。
4代目を検討するにしても燃費のことを考えると、ハイブリッドの年式を選びたいところ。
また、現行のセレナにも引き継がれている「アラウンドビューモニター」や
「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ふらつき警報」、「エマージェンシーブレーキ」、
「LDW(車線逸脱警報)」といった各種安全装備が搭載されていることも見逃せないところです。
2016年8月発売の現行の5代目セレナでは、
「ハンズフリースライドドア」や
「デュアルバックドア」、「プロパイロット」といった装備が魅力的といえます。
買い物で手が塞がってる、子どもを抱きかかえているなどのシーンで
ハンズフリースライドドアは助かりますし、
スーパーマーケットやショッピングモールなどの駐車場が狭いシーンでは、
上半分だけが開くデュアルバックドアは便利です。
また、プロパイロット機能は巷での意見を聞くとまだ改良の余地も多いにありそうではありますが、
高速道路での渋滞時など、運転のストレスを大いに軽減させてくれます。
2018年9月に発売されたモデルでは、
先行車や対向車や周囲の明るさなどに応じて、自動的に上向きと下向きを切り替えてくれる
「ハイビームアシスト」が全車に追加されました。
また、標識検知機能の向上のほか、
「踏み間違い衝突防止アシスト」で歩行者検知が可能となったことは安全面で大きいですね。
走行性能や装備の面で比較していくと後発の5代目の方が優位になってくるのは当然ではありますが、
デザインの変更や、車両本体価格の違いも大きいところ。
諸々装備が追加されてゴージャスになってはいますが、
そこまでの装備は要らない、という人もいるかと思います。
それらも含め、一緒に乗る家族などとも意見交換して決めていきたいですね。
アイキャッチ画像引用URL:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/serena.html