発表されてから現在までコンパクトSUVの新しい形として存在感を放つスズキ・クロスビー。
その発表時から、同社SUVのヒット商品であるスズキ・ハスラーとよく似ていると言われています。
確かに、クロスビーは軽自動車であるハスラーの小型車版が欲しい、という声に答えたものでもあります。
そこで本記事では、実際ハスラーとクロスビーの違いはどの程度なのか、価格・大きさ・燃費の三項目に絞って比較してみました。
目次
【スズキ・クロスビー】VS【スズキ・ハスラー】は価格はどっち?
メーカーの公式サイトによりますと、希望小売価格はそれぞれ税込みで
クロスビー:1,765,800~2,189,160円
ハスラー:1,100,520~1,748,520円
となっております。
値段差は選ぶグレードにもよりますが、総じてハスラーの方が断然安値です。
ハスラーの高級ターボモデルとクロスビーの標準モデルを比較しても、差はかなり少ないですがハスラーの方が安くなります。
これは軽自動車と小型の普通車という大きな違いに因るところが大きいです。
最近の軽自動車は性能も上がり、基本装備も充実していて、決して昔のような「安物」ではありません。
それでも未だ普通車よりずっとリーズナブルです。

購入時の価格だけでなく、自動車税などの維持費にも軽自動車と普通車の違いはあらわれます。
ご存知かもしれませんが、軽自動車に掛かる自動車税は、普通車のそれより遥かに安くなります。
その点も含めて、価格の比較ではどうしても軽自動車であるハスラーに軍牌が上がります。
動力のパワーや安全性など、クロスビーのような普通車を選ぶメリットはお金以外に因るところが大きいです。
ちなみにハスラーには最低限の装備のみのグレードAが存在します。
上記の最安値がAグレードの2WD仕様のものです。
スズキ自慢の最新安全装備群も搭載されてないグレードですが、とにかく安く買いたい方はこちらを検討すると良いでしょう。
それでもエアバッグなどの基本的な安全対策は施されています。
クロスビーにはまだ廉価版はなく、標準グレードと上級グレードの2グレードのみ現在は展開されています。
このことも少しクロスビーが割高だと感じる原因かもしれません。
【スズキ・クロスビー】VS【スズキ・ハスラー】大きさは?
見た目の大きさも大事ですが、いざ乗るとなると内装の広さも気になるところです。
ですから、外寸も内寸も比較してみましょう。
外寸の比較
こちらも公式サイトからデータを拝借いたしました。
それぞれの全長、全幅、全高を比べてみますと
クロスビー:3,760×1,670×1,705mm
ハスラー:3,395×1,475×1,665mm
となっています。
高さはそれほど違いはないですが、クロスビーの方が一回り大きいです。
軽自動車は全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下の規格が定められていますので、
ハスラーはそれにギリギリまで合わせたサイズとなっています。
また、どちらも全長が短く車高が高めで、真四角に近くまとまったシルエットが特徴です。
よく見比べると実は見た目にも結構違いのある両車ですが、基本的にはハスラーをそのまま少し大きくしたのがクロスビーと思って良いでしょう。
クロスビーはハスラーと比べると大きめですが、それでも全長4m以下。
他の一般的なコンパクトSUVと比較してもかなり小柄です。
軽よりは大きいけど、運転のしやすい小さめサイズのクルマが欲しいとお考えでしたら、クロスビーは選択肢として最適なクルマのひとつでしょう。
内寸の比較
こちらもサイズを長さ、幅、高さで比較しますと
クロスビー:2,175×1,355×1,280mm
ハスラー:2,160×1,295×1,250mm
と、実はそれほど違いはないのです。
クロスビーが狭いというよりことは決してない為、ハスラーが限界近くまで内装を広げていると思ったほうが良いでしょう。
小さいが広いというのは大変魅力的ですが、その分表面と中を隔てる壁が薄いということでもあります。
つまり、万が一の衝突を考えるとクロスビーの方が安心、ともいえます。
特に後ろ側の余裕はある程度以上欲しいところです。
引用:http://www.suzuki.co.jp/
また、内部のサイズ自体はそこまで違いがなくとも、ハスラーは軽自動車の為4人乗りです。
対してクロスビーは5人乗り。
同乗者の予定人数も考えて選ぶ必要があります。
【スズキ・クロスビー】VS【スズキ・ハスラー】燃費はどっち?
最後に燃費を比較してみましょう。
燃料の価格も不安定な今日この頃、皆さまもここは重要視したいと思っていることでしょう。
燃費の比較
ハスラーにはターボエンジン搭載版が存在しますので、合わせて比較致しましょう。
クロスビー(HYBRID MX):20.6km/L
ハスラー(G):30.4km/L
ハスラー(Gターボ):26.2km/L
基本的にボディの軽い軽自動車の方が燃費が良いとされていますが、クロスビーとハスラーについても同様の結果が得られました。
後ほど詳しく見ていきますがクロスビーはターボエンジン搭載なので、ハスラーもターボ仕様のものと比較をするべきでしょう。
そしてその比較をもってして尚、ハスラーはクロスビーよりは燃費が良いといえます。
また、上記はカタログ上でのスペックですが、同じ条件で実燃費についての情報を調べたところ
クロスビー(HYBRID MX):15.19km/L
ハスラー(G):20.76km/L
ハスラー(Gターボ):16.96km/L
というデータを得られました。
もちろん走行時の環境に左右されるものですので、参考程度にお考えください。
動力の比較
燃費の良し悪しを決める要因はいくつかありますが、中でもエンジンの仕様は燃費に直接関係してくるところです。
両車の動力システムを比較してみましょう。
クロスビーはマイルドハイブリッドシステムを採しています。
ハイブリッド車のように明確に2動力有しているわけではありませんが、減速時のエネルギーで発電・充電し、発進や加速をする際のエンジンアシストにそれを活かすことで、純ハイブリッド車程ではないにしろ燃費を抑えることができるシステムです。
クロスビーはこのシステム用のモーターと、排気量1000ccのターボエンジンを搭載しています。
ターボエンジンの馬力を持ちつつ、燃費を文字通りマイルドにする設計です。
SUVらしいパワーを欲するのならば、クロスビーを選んで損はありません。
ただ、現在時点ではクロスビーにはターボ以外のエンジンの選択肢が無い、というのは人によっては難色を示す点かもしれません。
ハスラーはスズキのマイルドハイブリッド搭載車一覧には名前を連ねていません。
しかしS-エネチャージというシステムが実質マイルドハイブリッドと同じ働きをしています。
実際、ハスラーの主要諸元、主要燃費向上対策の中にはハイブリッドシステムという記載が存在します。
つまりハスラーもマイルドハイブリッド車なのです。
クロスビーとの違いはエンジンのパワー。
軽自動車の規格に従い排気量が660ccのものを採用しています。
ハスラーの方が燃費が良い、その大きな理由のひとつです。
また、非ターボエンジンのグレードも存在するので、力強さを求めないのであればかなり有力な選択肢となります。
パッと見では兄弟のようなクロスビーとハスラー。
勿論コンセプトとしてそういった面があるのは事実です。
しかしいざ比較してみると、想像以上に軽自動車と普通車の差は大きいということが分かります。
自分が一体何をクルマに求めているのかをじっくり考え、後悔のないクルマ選びができるように、必要な情報はしっかり集めていきましょう。
アイキャッチ画像引用:https://clicccar.com/2018/01/24/552719/img_6844-2/